天の川の中を飛ぶはくちょう座には、たくさんの星雲星団があります。銀河系の中心部のあるたて座からはくちょう座の翼にかけて。天の川が大きく暗黒星雲によって遮られているのも、空の暗いところで見ると良くわかります。
はくちょうの東側の翼の先には、「網状星雲」と呼ばれている星雲があります。この星雲は、今から数万年前に爆発した超新星の残骸が、今も少しずつ広がっている様子を、1300光年のかなたから見ているものです。ヴェールのように広がった星雲は、写真に撮るとピンクいろの淡い広がりとして撮影することができます。
網状星雲はリング上に大きく2つに分かれて見えています。見つけやすいNGC6990は、ε星の3度南にあり、52番星(4.2等星)につながって見ることができます。もう一方のNGC6992〜5は、ε星とζ星のほぼ中間付近のちょっと南に見えています。空の暗い場所であれば、7×50クラスの双眼鏡で両方の星雲をひとつの視野にみることができます。
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