●7つのメシエ天体●

M81(左)・82(右) 撮影:スタークリック!編集部

 おおぐま座はには、たくさんの星雲星団があります。中でもちょうどくまの頭のあたりにあるM81と82の2つの銀河は、明るく特徴のある天体です。

 この2つの銀河は、私たち銀河系から1,200万光年の距離にあり、M81は画像のように大きく腕を広げた渦巻き銀河なのに対し、M82はなんともいびつなさつまいものような形に見えます。このM82は、実は銀河の内部で何らかの原因で大爆発が起き、内部で大きな分裂が起こっていると考えられています。内部からは強烈な電波やX線が観測されていて、銀河系の形成を調べる上でとても重要な天体として注目されています。

 8cmクラスの望遠鏡から見ることができますが、15cmくらいの口径があると見やすいでしょう。2つの銀河を同時に見る場合は50倍程度の倍率で見ると良いでしょう。みつけかたはこちらをご覧ください。

ちょっと強引に同じ視野に入れたM108とM97
左上の細長い方がM108 右下のちょっとはみ出しているのがM97

 M81や82以外にも、おおぐま座にはたくさんの銀河がありますが、1つだけ異彩を放っているのがβ星の近くにあるM97「ふくろう星雲」。銀河系の外側の銀河が多い中で、このふくろう星雲は銀河系内の惑星状星雲です。左の画像ではちょっとはみ出していて解りにくいですが、まるでふくろうの顔を正面から見たときに、目のところがちょっと黒く見えるのと同じように、星雲の中の暗い部分が2つ見えるのがわかります。

 望遠鏡ではとても暗くて見えにくい天体です。20cmくらいの望遠鏡は必要ではないでしょうか。

 すぐ近くには、こちらもちょっといびつな形をした銀河M108も見ることができます。また、γ星のすぐ近くにもM109という銀河があります。

 見事な渦巻きをしたこの銀河は、おおぐまのしっぽの先にあるM101です。通称「回転花火銀河」などとも呼ばれています。この画像のように渦巻状を見るためには、暗い夜空で20cmクラスの望遠鏡が必要でしょう。中心部は明るい星雲なので、8cmクラスの望遠鏡でも比較的簡単に見つけることはできます。

 みつけかたはこちらをご覧ください。

 ここまで6つのメシエ天体を紹介してきましたが・・・あれ。タイトルには「7つ」と書いてありますね?。実は、おおぐま座にはもうひとつ「M40」という天体があることになっています。

 この「M」が付いた星雲星団は、18世紀のフランスの彗星探索家シャルル・メシエが、彗星と見間違えやすい天体である星雲星団を、あらかじめリストアップして彗星を探すときに間違えないようにするために作ったカタログです。

 しかし、メシエがこのM40があるとした場所には、該当する星雲星団はありません。実際無い天体がメシエには見えてしまったのか、それともたまたまその時にその位置に彗星が現れていたのか、その事実はわかりません



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