●ミザールとアルコル●

 北斗七星の柄の先から2つめの星・ζ(ゼータ)星を良く見てみると、明るい2等星に寄り添っているちょっと暗い星を見つけることができませんか?。

 明るい2等星がζ星「ミザール」、寄り添っている星が「アルコル」といいます。この2つの星は、昔のアラビアでこの星が視力検査に使われていたことは有名なお話しです。日本のあるアニメで「死兆星」と言われたことでも有名になった星です。

 さて、あなたはこの2つの星を見分けることができるでしょうか?。

 「ミザール」とはアラビア語で「腰帯」というくまとは直接関係しない名前がついています。「アルコル」はそのまま「かすかなもの」という意味があります。この2つの星は私たち太陽系から78光年の距離にあり、ミザールとアルコルとの間は0.3光年の距離があります。さらに、ミザールを100倍くらいの望遠鏡で見てみると、すぐ近くにさらにもうひとつの星が寄り添っているのを見ることができるでしょう。

 これらの星はたがいにまわり合っている「連星」という関係を持っていると考えられています。連星のそれぞれがさらに連星としてまわり合っている「多重連星系」を作っている星は、実は結構たくさん見つかっています。私たち太陽系に置き換えれば、太陽のまわりをまわっている惑星があり、その惑星のまわりをまわっている衛星があることと代わりがないことでもあるのです。

100倍くらいの望遠鏡で見たミザールとアルコル
上がミザールで下がアルコル ミザールはお団子のようにくっついた2つの星であることがわかります。ミザールとアルコルの中間のやや右にちょっと暗い7等星があるのもわかります。


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