●球状星団M30●

パロマ山天文台5m望遠鏡によるM30
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 やぎ座には、あまり目だった星雲星団がありませんが、唯一立派な球状星団M30があります。球状星団は、私たちの銀河系(天の川銀河)の周辺部を取り巻くように存在する、年老いた星が集まってできた天体だと言われており、このM30は26,700光年の距離にあるとされています。明るさは7.5等で、小望遠鏡でも充分に見ることができる天体です。

 星がボール状に集まっているため、望遠鏡で見るとその口径により見え方が微妙に違ってきます。比較的小型の望遠鏡では、ぼうっと光る雲のように見えますし、集光力があり分解能も高い大きな望遠鏡になると、周辺部からだんだんと砂つぶのような細かい星が集まっている様子がわかるようになります。最初はあまり倍率を高くしないで、目が慣れてきてから1段高い倍率のアイピースを選んで見てみると、細かい星まで見えてくるようになるでしょう。天文台の望遠鏡で撮影すると、左の写真のようにたくさんの星が集まっている様子がわかるようになります。

 M30は、ζ星の東南東にある41番星(左の写真の左にある輝星)のすぐ近くにあるため、比較的見つけやすい天体です。南に低い天体のため、なるべく南中近くの高度が高いときに、じっくりと観測してみてください。



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