●肉眼二重星 α星●

バイエルが1732年に作成した星図「ウラノメトリア」に書き込んだやぎ座の絵
イギリス王立天文協会収蔵

 やぎ座きっての明るい星は、やぎの頭に輝くα(アルファ)星ギェディです。この星は、視力の良い人であれば肉眼でも2つの星が寄り添っている様子を見ることができます。明るい方がα2星で3.6等星・暗い方がα1星で4.2等星です。この2つの星は実際にまわり合っている連星ではなく、α1は540光年・α2は96光年とかなり離れた星です。普通、星座を作っているこれらの星は、星座の中でお互いの見えている位置を変えることはありませんが、何百年・何千年という時間のうちには、「固有運動」と呼ばれる運動によりそれぞれの星が星座の中で動いています。このα星の2つも、星座が作られた時代には、肉眼では分解できないくらい近づいていて、2つの星の光が合わさって今より明るく輝いて見えていたのでしょう。



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