9月16日:毛利衛さん再び宇宙へ(エンデバー号打ち上げ)

H-IIAの組立てから燃焼まで

MTSATの打上げへ

「私達の宇宙は120億歳」 

リングのある銀河



9月16日(木) (米・ケネディ宇宙センターにて)
スペースシャトル「エンデバー号」(毛利衛宇宙飛行士搭乗)が打上げられます
宇宙開発事業団  毛利 衛

 1999年9月打上げ予定のSTS-99にミッションスペシャリストとして任務を遂行するようにとの連絡をNASAから受けました。
 このミッションは、地球観測を目的とし、地球表面の地形図を作成するための三次元画像データの取得を行います。
 私は、1992年に第一次材料実験「ふわっと'92」で宇宙実験室に搭乗しましたが、その時は実験の数が沢山あり地球を十分に眺める時間をとることはできませんでした。今回は、地球環境を直接観測する科学ミッションであり、私の専門の表面科学の分野の経験を生かしながらその任務を十分に果たしてきたいと思っています。
 また、このミッションを通じ来るべき国際宇宙ステーション時代に向けて日本の有人宇宙活動の技術の蓄積と国際貢献にも努力していきたいと思います。




H-IIAの組立てから燃焼までを
地上試験機(GTV)試験で確認中

地上確認試験で射場との整合性確認
 2000年の1・2月期に初号機打上げが予定されているH-IIAロケットの開発は、現在は種子島宇宙センターで地上試験機(GTV)による地上確認試験を実施中です。
 H-IIAロケットはH-IIロケットとは異なり、機体の組立・点検は整備組立棟(VAB)で行われ、打上げ当日に射点へ移動、推進薬充填、自動カウントダウン、打上げへと作業が進行していきます。ロケット本体だけではなく、さまざまな手順も新しいものになります。
 GTV試験は、静止2トン級の打上げ能力を持つ、標準型の試験機を用いて行われます。射場設備との整合性や、射場整備作業の手順を確認したり、打上げ日を想定した「カウントダウン作業」を行います。また、第1段推進系の機能・性能の総合確認を行うために、第1段タンクとLE-7Aエンジンを組み合わせた実機相当の1段を使用して、「燃焼試験」も行います。
 この他、「全機振動試験」や「極低温推進薬充填試験」などの特別点検によってデータを取得し、設計解析へのフィードバックを図ります。

カウントダウンから燃焼の試験まで
 燃焼試験は30秒間の計画でしたが、エンジンは始動後15.6秒で停止しました。燃焼は当初計画より短いものになりましたが、第1段推進系の機能・性能を確認するうえで必要なデータを、良好に取得することができました。



MTSATの打上げへ9月上旬打上げ予定

 NASDAではH-IIロケット8号機による運輸多目的衛星(MTSAT)の打上げ整備作業を、9月上旬の打上げに向けて慎重に進めています。MTSATは運輸省が調達した衛星で、運輸省とNASDAとの間の「MTSAT打上げ役務請負契約」により、NASDAがH-IIロケット8号機で打ち上げます。

 衛星は、気象観測と航空管制の2種類のミッションを有しています。MTSATは米国の衛星メーカ製で、既に今年3月には大型輸送航空機によって国内に到着しています。そして3月8日には鹿児島空港、3月9日には種子島の島間港に搬入され、現在は種子島宇宙センターにて整備作業を行っている最中です。



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