昔々、エチオピアにケフェウスという王とカシオペアという王妃がおりました。二人の間には、それはそれはたいへん美しい娘、アンドロメダ王女がおりました。王妃はいつも自分の娘の美しさを自慢していました。 ある日のこと、王妃は「私の娘アンドロメダの美しさは、海の妖精、ネレイドの50人の姉妹たちにはかないませんよ。」と自慢しました。ネレイドとは、海の神ポセイドンの王宮に住むポセイドンの孫娘たちのことです。このことは、海の神ポセイドンの耳に入ってしまいました。ポセイドンも、自分の孫娘たちの美しさを誇っていましたから、ポセイドンはこの噂を聞くとたいそう怒りました。 |
とうとう別れの日がやってきました。王妃は嘆き悲しみました。アンドロメダは海岸から離れた岩へ小船で運ばれました。そして、岩にしっかりと鎖でつながれ、顔を真っ青にしてガタガタ震えながら、一人アンドロメダは化けくじらが現れるのを待ちました。 海岸で人々が「姫を生けにえにしたら沢山の人が助かると言っても、やはりかわいそうなことをした」と言い、アンドロメダの姿を見守っていました。 |
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