真夏の昼間の熱さと喧騒が静まるころ、夜空にはたくさんの星たちが輝きだします。夏の夜空には、たくさんの1等星や太く濃い天の川、そしてその中に輝くたくさんの星たちを見ることができます。
その中でも特に目立つ3つの1等星でつくる「夏の大三角」は、空の高いところに大きな二等辺三角形を作っています。その底辺のうちの東よりの星が、はくちょう座のα(アルファ)星「デネブ」です。そのデネブを頂点にして、天の川に沿うようにして大きく十字に星をつなげることができます。これがはくちょう座の全景です。
一等星「デネブ」は、ちょうどはくちょうの尾羽の位置にあり、アラビア語でそのもの「尾」という意味になります。明るさは1.3等と、夏の大三角の中では最も暗い星ですが、天の川の中に輝く白い光は他の2つの星とは異なる穏やかな輝きに見えます。デネブは夏の大三角の他の2つであること座のベガ(25光年
0.0等星)や、わし座のアルタイル(16光年 0.8等星)とは比較にならないほど遠い約2000光年もの距離の、私たち銀河系の中心部近くから、私たちに輝きを届けてくれています。
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