マックホルツ第二彗星が近日点通過

 マックホルツ第二彗星は、1994年に発見された彗星で、発見時は17等と決して明るい彗星ではありませんでしたが、他の彗星とはちょっと異なる姿をしていました。 その後の観測で、この彗星は木星に接近してバラバラに分解された彗星であることが確認されました。また、木星の重力により太陽系に引き込まれ、太陽と木星軌道の間を約5.2年でまわる周期彗星となったこともわかりました。

 マックホルツ第二彗星と同じように、木星によって核が分裂した彗星と言えば、1994年7月に木星に衝突した、シューメーカー・レビー第九彗星があります。マックホルツ第二彗星の軌道は、現在計算されている範囲では、木星に衝突するような軌道にはなっていませんが、太陽のまわりを一回りしてきたこの彗星がどのような姿で私たちの前に帰ってくるのか、大変楽しみです。

カラル・アルト天文台撮影のシュメーカー・レヴィー第9彗星

 今年8月4日、分裂した彗星の中で最も大きな核であるA核が、オーストラリアのサイディング・スプリング天文台の口径1m反射望遠鏡で検出されました。このときの光度は20.8等で、私たちアマチュアの機材ではまだ撮影できる天体ではありませんが、今回の回帰は非常に条件が良く、現在の予報ではこのA核は15等程度まで明るくなり、冷却CCDカメラなどを使用すればアマチュアでも撮影できる対象になりそうです。

 以下に今回の回帰により計算された軌道要素を掲載しますので、是非撮影してみてはいかがでしょうか。

マックホルツ彗星(P/1999 P1)軌道要素

元期(がんき Epoch) = 1999/12/08.0 TT

近日点通過(T) = 1999/12/09.2799 TT
近日点距離(q)= 0.748938 AU
離心率 (e) = 0.751095
近日点引数(ω)= 149.3039
昇交点黄経(Ω)= 246.1346 (2000.0)
軌道傾斜角(i)= 12.8112

軌道長半径(a) = 3.008934 AU
周期(P) = 5.219年


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