日本初インタラクティブ映像システム
プラネタリウムに革命が起きる
埼玉県立
「小川少年自然の家」
〒355-0337 埼玉県比企郡小川町木呂子561 Tel 0493-72-2220



 今回は埼玉県比企郡にある、埼玉県立「小川少年自然の家」を訪問取材してきました。ここには日本全国でもまだ4台しかないという、米国デジスター社製のマゼラン4プラネタリウムが設置されています。ちなみにデジスター社は、本来航空機のパイロット養成のためのフライトシミュレータ用コンピュータを製作している会社だそうです。ですから3次元空間を見事な描写で表現することはお手の物といったところでしょうか。

 ここのプラネタリウムは「小川少年自然の家」では、”バーチャルドーム(VIRTUAL DOME)”という名前で呼ばれています。バーチャルとは仮想のとか仮のという意味ですが、いざ視聴してみると、デジタルっぽい無味乾燥したプラネタリウム番組ではなく、全身で宇宙空間の壮大さや不思議さを体感できるかなり満足のいく内容なのです。このバーチャルドームは既存のプラネタリウムの枠や概念をまったく取り払って、デジタル技術をふんだんに駆使して本当に神秘的な宇宙空間を旅する感覚が得られたり、異次元空間にでも入り込んでしまったような気持ちになれる素晴らしいプラネタリウムでした。確かにうたい文句として
「新たなる旅が、今始まろうとしている。広大な宇宙を自由に飛んでみたい、地球創生や恐竜の時代をのぞいてみたい、だれもが一度は夢見る果てしない時間と空間の旅・・・その夢をこのバーチャルドームが今、かなえてくれます。ひょっとしてバーチャルドームがテレポートマシン?」
と言っているように、ここのプラネタリウムは時間と空間を重要視したプログラム投影になっていて、気分は最新宇宙船に乗船して遥かなる時を越えた時空旅行そのものといえます。

 それでは実際に投影されるプログラム内容はというと、満天の星空を彩る四季の星座たちを幻想的な「星座物語」として、これまでにない3次元CG(コンピュータグラフィックス)による神話の世界へと誘ってくれます。また最新鋭映像システムは何万光年にもおよぶ宇宙空間を超高速スピードで駆け抜け、息つく暇もないほどの興奮と感動が得られました。


プラネタリウム本体


バーチャルドーム内

 マゼラン4プラネラリウムは光学式投影法ではないので、たとえばピラミッドを建設していた頃のエジプト時代の星空の様子も簡単に投影できるのです。みなさんもご存知のように天空上の星々は正確にはいつも同じ場所に張り付いているのではなくて、それぞれが固有運動をしているため、わずかながら色々な方向へと動いているのです。それが何千年という単位になればかなりの移動量を確認することができるわけです。それもレーザー式投影法のため簡単にコントロール可能なのです。まさに宇宙規模での時の流れを体験できるのです。
一般向けプラネタリウム公開時間
一般公開 日曜祝日/第2・第4土曜日/春休み・夏休み期間
投影時間 第1回 10:30〜(1時間) 第2回 14:00〜(1時間)
料金 大人:700円 高・大学生:350円 中学生以下・65才以上:無料



 続いて、「小川少年自然の家」の指導主事である清水通(しみずとおる)さんに少年自然の家やプラネタリウムについてお話をうかがってきました。

編集部:「こんにちは清水さん。お邪魔いたします。今日は、東京近郊でありながら大自然に囲まれた小川少年自然の家について色々とお話を聞かせて下さい。」

清水氏:「この小川少年自然の家は設立が昭和46年10月ですから約30年前に開設されたことになります。そしてこの施設では、豊かな自然の中で自然に親しむ活動や自分の考えを生かし様々な生活体験や野外活動から、新しい発見をしていただこうという趣旨で運営されています。その中の1つの施設として平成9年4月にリニューアルオープンされたバーチャルドームがあるわけです。」

編集部:「バーチャルドーム以外にも何か星と接する施設はありますか?」

清水氏:「そうですね、宿泊団体に限りますが、本館の建物の屋上に望遠鏡の入った直径5mドームが設置されていて、天体観察をすることが可能です。コンピュータ天体自動導入装置のついた口径150mmの屈折望遠鏡が格納されています。これは見たい天体を素早くキャッチし、自動的に追尾してくれます。そして捕らえた天体はテレビ画面に映し出され、同時に大勢で見ることもできます。またこの他にも100mm、80mmの望遠鏡や大型の双眼鏡などもありますので、ご希望の方はご連絡を頂ければご案内致します。それと小川少年自然の家の広さ43万平方メートルの敷地の中で星座スタンプラリーができます。これは、12ヶ所の星座スタンプを地図をたよりに山道を探して台紙に押していくゲームです。1周約2時間で回れますので、豊かな自然の中、さわやかな汗をかいてみるのも良いでしょう。」

編集部:「ところで清水さん、オーストラリアに行って天体写真を撮られてきたそうですね。」
清水氏:「ええ、そうなんですよ。ちょっと金環日食を見るついでに行ってきました。南半球の星空はとてもきれいでしたよ。マゼラン星雲なんて満天の星空に浮かぶ、ちぎれた雲そのものですね。一晩中、ビールを飲んでても、いや、星を見ていても飽きることはないですね。そうそう南天の星空の写真も大きく引き伸ばして展示しますので、是非ともみなさんも見に来て下さい。」

天体写真ギャラリー by 清水 通


エータカリーナ


オメガ星団


編集部:「ここでお仕事をされていて感動されたことや嬉しかったことはありますか?」
清水氏:「東京からそんなに距離が離れていない割には夜空が暗いので、天体観測に参加された方が星空のスバラシさに感動したと言ってくれたときや土星の輪を望遠鏡で見て人生観が変わったと言ってくれたときですね。」

編集部:「小川少年自然の家の売りやアピールできることは?」
清水氏:「とにかく山がきれいなことですね。四季折々の自然が堪能できて、関東平野が一望できるロケーションがいいんです。遠くは筑波山、男体山、日光白根山、赤城山、榛名山、谷川連峰などなどたくさんの山々が眺望できるのです。もちろん空気や水はとてもおいしいです。ですから星空を見たい人だけではなく野山を歩きたい人、野鳥を見たい人、動植物を観察したい人など、いわゆるネイチャーウォッチングを心ゆくまで満喫したい人には最高の場所であると思います。そして不思議なことに、そのような人々は大概自然を守るエチケットやマナーができているんですね。」

編集部:「将来的に小川少年自然の家をどのような施設にしたいですか?」
清水氏:「現在は規制緩和の時代です。ここは埼玉県が運営をしていますが、どんどん広く一般の方々が利用できる小川少年自然の家として開放していきたいですね。」

編集部:「それでは最後の質問ですが、スタッフの方たちがみなさんとても明るいのですが・・・?」
清水氏:「いいところに気がつきましたね。その通りなんです。我々は全12名の体制でご来館の方々を受け入れる体制を取っていますが、たまたま全員が陽気なスタッフで構成されているんです。なんかそう言うとただ明るいだけのようで、少し語弊があるようにも聞こえますが。とにかく楽しく明るい雰囲気づくりはたいせつですからね。」

編集部:「なるほどそれでなんとなく館内の居心地が良いのは、気のせいではなかったのですね!。日頃のスタッフの方々の気構えが伝わってくるからですね。だからデジタルデジタルしたバーチャルドームでも、確かになにかほんわかした人間臭さみたいな温かさがそこには存在していましたよ。今後ともどうぞ頑張って下さい。たくさんの自然を愛する星の好きな人々が来館するとよいですね。本日はお忙しい中どうもありがとうございました。」



イベント情報
(1)土曜の夜の星空散歩(スペースクルーズ)

季節の天体観測をやってみようということで、バーチャルドーム無料公開日が設定されています。
1.対象:星空に興味のある人ならどなたでもOK。
2.定員:先着126名
3.期日:
利用日(平成11年度)

6月12日(土)

10月23日(土)

1月 8日(土)

7月10日(土)

11月27日(土)

2月12日(土)

9月11日(土)

12月11日(土)

3月11日(土)


4.時間:受付 18:00〜 バーチャルドーム 18:30〜 天体観測 19:30〜20:30
5.内容:a.バーチャルドームの視聴 b.季節の星空解説と口径150mm天体望遠鏡による天体観測
6.申込方法:当日本館2階ロビーにて直接申し込んで下さい。
7.問合わせ:埼玉県立小川少年自然の家 事業課まで 電話0493−72−2220
8.その他:a.雨天・曇天時、バーチャルドームの視聴のみ実施します。
       b.参加者には、季節の星図を差し上げます。


(2)家族受入れキャンプ
親子でキャンプを楽しみながら季節の天体観測をやってみようということで、バンガローを10棟無料開放しています。
1.対象:小・中学生のいる埼玉県在住の親子
2.定員:先着10家族
3.期日:

利 用 日

申込受付日

7月10日(土)〜11日(日)

6月13日(日)

9月11日(土)〜12日(日)

8月 8日(日)

10月23日(土)〜24日(日)

9月12日(日)

11月27日(土)〜28日(日)

10月10日(日)

12月11日(土)〜12日(日)

11月 7日(日)

1月 8日(土)〜 9日(日)

12月12日(日)

2月12日(土)〜13日(日)

1月 9日(日)

3月11日(土)〜12日(日)

2月13日(日)


4.申込方法:申込受付日(午前9時〜)に直接電話で申し込んで下さい。
5.内容:家族で自然に親しむ活動後、夜は本館天体観測室で天体観測に参加できます。
6.問合わせ:埼玉県立小川少年自然の家 事業課まで 電話0493−72−2220


埼玉県立小川少年自然の家の地図および交通機関

アクセス
東武東上線東武竹沢駅より徒歩約40分(1.8km)
JR八高線竹沢駅より徒歩約30分(1.5km)
正門駐車場より徒歩約15分(1.0km)





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