○試験があると星が見たくなる
 中学生や高校生の頃をふと思い出してください。かならず中間テストと期末テストという約3日から1週間ぐらいの重苦しく長く感じられるテスト期間があったと思います。テストが始まる1週間ぐらい前からその出題される範囲についての復習勉強をしていたと思います。まず1週間の勉強スケジュール表を作成して、それにしたがってテストのための勉強をしていくわけです。たとえば学校から帰ったらすぐ仮眠を3時間とり、夕食を食べたらいざ戦闘開始。みんなが寝静まった夜にその勉強スケジュールをこなそうとして頑張るのですが、実際のところはなかなかそのとうりには進みません。そうこうしているうちに、部屋の窓からふらっと夜空を眺めてみると、そこにはきらきらと光り輝くたくさんの星たちが自分を誘っているかのように待っているのです。

 そんなとき思わず迷わず双眼鏡または望遠鏡を抱えて、家の裏の駐車場など星空が開けた場所へ飛び出してしまったことはありませんか。つまり本来やらなければいけないテスト勉強が目前にぶら下がっているにもかかわらず、どうしても星が見たくなるのです。そしてそのような時こそ、いつもより星を見ることに対して気合が入ってしまって、いままで見たことのない星雲や球状星団などをファインダーを覗いて一生懸命に探しだそうとするのです。いや〜、その時の心が洗われるというか、気持ちが落ち着くというか、なんとも言えない満足感が身体全体に充ち渡ってくるのが分かるのです。普通に考えると、なにも中間テストや期末テスト前ではなく、それが終わってから充分時間が取れるときにじっくりと星を楽しめばよいのですが、こういう時にこそ、いつもより星が見たくなり、またなぜだか夜空の大気の状態が良いようにと感じるのも事実です。

 星を見ることにかなり没頭していると、当然のことながら時間が経つのも早いものです。あっという間に午前2時や3時になり、とても勉強などする時間はなくなっていることに気付くのです。あわてて双眼鏡や望遠鏡を片づけて、また元の勉強机に戻って、頭の中の思考回路をお星様からテスト勉強へと切り替えて、さあ勉強するぞと思いきやこんどは眠気との戦いとなるのです。これでは夜、星を見るために仮眠を取っていたことになり、何のための勉強スケジュールなのかさえ分からなくなってしまうのです。テストの結果はあえて報告するまでもないと思いますが、あまりかんばしい内容ではなかったような気がします。

 しかしながら、中学生や高校生など多感な時期にどのような方法であれ、私たちを取り囲む広大な宇宙と触れ合うということは、大人になる過程においてとても大切なファクターの1つであると思います。それは現代社会の技術革新が進み、どんなに人間が宇宙や自然に対して大きな力を持ったにしても、この気の遠くなるくらい大きな宇宙のしくみに影響を受けていて、その中でしか生きていけないことを悟ることができるからです。

 たとえ寝不足であまりよいテスト結果がでなくても、それはそれでよいではないですか。少なくとも精神的には充足され、元気が出てくることまちがいないのですから。

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