全国の七夕祭と旧暦との関係

 日本では、七夕伝説にちなんだお祭りが各地で催されており、宮城県の仙台・神奈川県の平塚がとても有名です。ところが、同じ伝説にちなんだお祭りなのに、7月の地方と8月の地方があることに気づくでしょう。

 「新暦」「旧暦」という言葉をよく耳にすると思いますが、日本では江戸時代まで「太陰暦」という暦(こよみ)を使用していました。古くは中国から伝えられた暦で、現在使用されている「太陽暦」とはだいぶ異なった作りをしています。

 太陰暦は、月の満ち欠けを中心に考えられた暦で、月が地球のまわりを一周する日数(約29.5日)を基準にして作られていて、1カ月が29日と30日の月が交互にくる仕組みになっています。しかし、1年が12カ月であることは同じなので、この計算では、地球が太陽を一周する日数(約365.25日)との差が1年で約10日でてしまうため、19年に7回の割合で1年を13カ月とする年をもうけてありました。日本では、1872年(明治5年)の12月31日まで使われていました。

 それに対し太陽暦は、地球が太陽のまわりをまわる周期である約365.25日を基準にして、それを12等分し毎月を30または31日とし、3月から数え初めて最後の月となる2月に足りなくなった日を合せる形になっています。

 このように、太陰暦と太陽暦では日によっては1カ月以上の違いができることになり、七夕祭りの行われる時期の差を生んでいるのです。

 ちなみに、現在日本をはじめとした世界で標準に使われている太陽暦は「グレゴリオ歴」と呼ばれるもので、1582年にローマ法王グレゴリオ13世が制定したものです。天体観測の技術の向上により、地球が太陽の周りを一周する周期が365.2422日であることを基準にして、基本的に4年に1回のうるう年をもうけ、そのうち400年に3回はうるう年にしないという法則を決定しました。実際には、西暦が4で割り切れる年は基本のうるう年として1日多く(2月29日がある)なりますが、100で割り切れる年(1900年や2100年)はうるう年とせず、さらに400で割り切れる年(2000年)はうるう年とする。という細かい取り決めがなされているのです。つまり、来年は「うるう年」になることになりますね。

うるう年になる/ならない表

西暦(例)

計算

うるう年

1999年
2001年
÷4・・・割り切れない

ならない

2004年
2008年
÷4・・・割り切れる
÷100・・・割り切れない

なる

2100年
2200年
2300年
÷4・・・割り切れる
÷100・・・割り切れる
÷400・・・割り切れない

ならない

2000年
2400年
2800年
÷4・・・割り切れる
÷100・・・割り切れる
÷400・・・割り切れる

なる
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 次回秋号では、アンドロメダ座を紹介します。


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