アンドロメダ銀河『M31(NGC224)』

 アンドロメダ銀河『M31』は、私達の銀河系の外にある銀河(系外銀河)であり、系外銀河と初めてわかったのがこのアンドロメダ銀河M31です。北天で唯一肉眼でみる事のできる銀河、M31の等級は4.8等で、距離は240万光年と離れていますが、一番この銀河系の近くにあります。といっても、光の速さで、1年進む距離を1光年といいますから、今、私達がみている光は240万年前にアンドロメダ銀河から放たれた光で、それが宇宙を超えて私達の元に届いているわけです。

 銀河には、色々なタイプの形ものがありますが、M31は渦巻の構造を持っているので、『渦巻銀河』といいます。ちょうど、私達の銀河系も同じ渦巻銀河です。M31の直径は13万光年で、私達の銀河系は10万光年ですから、約一周りくらい大きく、だいたい4000億個もの星(恒星)が集まってできていると思われます。なかには、球状星団や散開星団、新星や変光星も見つかっています。

 私たちの銀河系と兄弟の関係にあるアンドロメダ大星雲は、最も近いところにある系外銀河です。ですから、みかけの大きさは他の系外銀河に比べて桁外れに大きく、満月ほぼ5個分の大きさなります。望遠鏡を使って見ると、全景が広いのでみえるのは中心部の明るい部分のくらいで、その中心部のまわりは薄く白い雲がかかっているようにぼやけてみえます。空の条件の良いところで20cmくらいの望遠鏡で見てみると、銀河の周辺部を取り巻く暗黒帯をみる事ができます。

 このM31には、近くにお供をしている2つの銀河を見ることができます。上の写真では、M31の中心部の明るいところのすぐ右下に、明るく丸い天体が『M32』で、その反対側の楕円の形にみえるのが『M110(NGC205)』です。この二つの銀河は『伴銀河』とも言われており、M31の周りを廻っていると考えられています。これらの伴銀河は、主銀河であるM31に近づきつつあり、いずれはのみ込まれてしまうと考えられています。また、アンドロメダ銀河と私達の銀河系も互いに秒速100キロで接近しており、いずれこの二つの銀河は衝突すると予想されています。銀河の衝突時にどのような現象が起こるのかは、現在世界の多数の学者が観測やデータの解析をしており、いろいろな論議がされていますが、銀河は新しい形に生まれ変わり、双方の銀河の星の数の合わさった巨大な銀河が形成されると考えられています。

 M31の見つけ方は、まず、アンドロメダの腰のところにある星、β(ベータ)星『ミラク』から、北に続く2つの4等星をたどっていくと、白っぽくにじんだM31があります。都会から離れて、空気の綺麗な場所に行けば、肉眼でも容易に見つけることができます。是非探してみてください。

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