ペンション紹介
このコーナーでは星見はもちろん、自然とふれあいながら遊べ、
家族、友だち、恋人や1人でも楽しめるような素敵なペンションを紹介します。



文学の薫りがする感動星空体験
ペンション「モーツァルト」
山梨県南都留郡
山中湖村平野509−38

電話 0555−62−3364


 今回は、山梨県の富士五湖のひとつ、山中湖畔に建つしょう洒なペンション「モーツァルト」さんを訪ねました。山中湖までは東京から車で中央高速道路と東富士五湖有料道路を使って約2時間ほどで行くことが出来るので、関東近郊の方は割と簡単にアクセス可能だと思います。
 湖の南から車で3分ほどの小高い丘に建つペンションは、周囲を多くの緑と静寂さにかこまれた最高のロケーションにあります。取材スタッフは、「空気がこんなに美味しいものであったのか!。」と改めて感じてしまいました。また建物の造りも自然とうまく調和していて、まるで森の精の化身であるかのようにゆったりとした時間の経過とともに佇(たたず)んでいます。



 ペンションオーナーの西岡さんは1983年にクラシックの演奏会とともに、この「モーツァルト」をオープンされました。もともと文学や音楽が好きだった西岡さん、単なる宿泊施設ではなく、演奏会や講演会などさまざまなイベントを開催したくてペンションをはじめたそうです。この山中湖の地にペンションを作られたのは、かつて山中湖に大学時代の恩師が所有されていた別荘に遊びに行って、この山中湖が気に入ったからだとか。

 ペンション内のサロンには、一万冊の書籍、四千枚のレコードや二千を越える映画ビデオなどが並び、訪れたお客様にゆったりとくつろいで頂ける空間が提供されています。音楽会もオープン以来約700回を数え(これは日本ではとても珍しいそうです)、ほとんど毎週のように国境やジャンルを問わず様々な音楽が演奏されているそうです。

文学書がたくさん

客室はとてもシンプル

すてきな調度品に囲まれて



 意外なことに、「モーツァルト」にやってくる星好き仲間は95パーセント以上の方が星見初心者とか。はじめて星を見る方が圧倒的に多いので、どなたでも気兼ねすることなく遊びに行けると思います。ここではただ単に望遠鏡や双眼鏡を使って星を見て、それにまつわる解説を聞くだけではなく、星と人類、宇宙と生命との深い関わり合いのレクチャーを西岡さんから聴くことができます。


 たとえば、「星の中から光が生まれて、それが何万光年も旅をした後、私たちの目に飛び込む。そして網膜と視神経細胞を通じて大脳へ刺激が伝わります。このことは私たちの小さな小さな眼球で、広大な宇宙を感じることができる瞬間です。ただ物理学や生物学ではそこから先の感情系で星の光を美しいと感じるこころはなにも解明できていないのです。しかしながら私たち人類は毎日朝から晩まで一日中、宇宙の星からの光を全身に浴び、身体を構成する細胞の素粒子レベルでは、その星の光とわずかですが共振し、感じているわけです。たぶんそれが、万人が星を見て、汚いと思うことは少なくともまず無いと思いますよ。」と泉のごとく湧き出てくるすばらしいレクチャーに取材に行ったスタッフが聞き入ってしまいました。(これを満天の星空の下で聴けたら、人類とは何かを自分なりに再考できるいい機会になるハズ!)

 星空のきれいな夜には、ペンション横の駐車場が星見の会場になりますが、時には車に分乗して富士山5合目まで出かけて行って、より透明度の高いすばらしい星空をお客様と楽しむこともあるそうです。
 その輝くばかりの星空を見た人は、みな一様に深い感銘を受けて、宇宙のすばらしさに圧倒され感動の嵐に包まれるとか。夜空の視界はひらけていて、一晩中見ていると春夏秋冬の星空の移り変わりがとてもたまらないそうです。

 また西岡さんが好きな星ははくちょう座のくちばしにある”アルビレオ”とケフェウス座の”ガーネットスター”だそうです。どちらもため息が出るほど美しい星々ですね。そして「南アルプスの鳳凰三山に、はくちょう座が十字架のようにつきささる様はスゴイの一言なので是非みなさんにも見て頂きたいですね。」と熱く語る西岡さんでした。

 望遠鏡はタカハシ製FC100(口径10cm)の屈折式望遠鏡とミード製LX200−25(口径25cm)のシュミットカセグレン式望遠鏡を所有。今は天体自動導入装置があるので、多くのお客様でもあまりお待たせすることなく星空の散歩を楽しんでいただくことが可能になりました。それでも30人以上になってくると少々待ち時間が長くなりますが、その間にもお客様は思い思いのスタイルで天の川やたくさんの星々を満喫されているそうです。

 また曇りや雨の日など天気の良くない日には、ペンションの100インチプロジェクターを使って、天文シミュレーションソフトを使った大迫力の星空講座を開いているそうです。



 このペンションのウリはそれだけではありません。オーナーの手間ヒマかけたフランス料理がお客様の舌を楽しませます。パリの5つ星ホテルにいる友人のシェフから届く最高のレシピでつくる四季折々の味は、まさに絶品です。毎晩の食事には事前の仕込みが2〜3週間かけるものがあるなど、大変こころを込めて作ってくれます。
(これで一泊二食付9,500円〜とはリーズナブルですね。)


ある晩のメニューの一例

オードブル:フォアグラの西京漬け
スープ:富士山で取れるカベンタケのスープ
お魚:伊勢エビのロースト〜ハーブのソース〜
お肉:鴨のコンヒ
デザート:クリームロワイヤルのシャンパンゼリー添え


ふう〜美味しそう!



 ペンション付近の観光スポット:ペンションから徒歩で10分ぐらいのところに”パノラマ台”と呼ばれる、もっとも富士山が美しくみえる高台があります。夜明け前と日没後の富士山はこの世のものとは思えないほど美しいそうです。「これは是非一度見て頂きたいですね。本当に生まれ変わったような気がしますよ。」とは西岡さんの一言。
 イベント情報:ほとんど毎週すてきな演奏会を開催する他に、ペンション周辺の自然環境を活かした色々なイベントが企画されています。例えば、もののけ姫に出てきたししがみの森そのものの樹海を散策する「青木ヶ原樹海ウォーキング」、そして仲秋の名月の時には「富士山麓ナイトウォーク」などもあり、また秋には富士山須走口へきのこ狩りにも行くそうです。
 オーナーからのメッセージ:「満天の星空の下での星光浴(せいこうよく)や雄大な富士山の力に包まれて、われわれは常に自然に守られているということを肌で感じて欲しいし、それを今後も案内していきたいと考えています。」



ペンション「モーツァルト」
山梨県南都留郡山中湖村平野509−38
電話 0555−62−3364(予約希望の方はこちらのお電話まで。)
料金:9,500円から
客室●洋室10室 定員●35名 設備●専用テニスコート5面
アクセス 鉄道の場合
 新宿からJR中央本線で大月にて乗り換え・富士急行線富士吉田駅下車
 山中湖方面行バスで25分「旭が丘」下車 車にて送迎(5分)
高速バスの場合
 新宿高速バスターミナルから山中湖行バスで2時間「旭が丘」下車 車にて
 送迎(5分)
車の場合
 東富士五湖有料道路(中央高速直結)山中湖I.C.から国道138号線を山
 中湖方面へ。山中湖ぞいに進み、「ホテル撫岳荘」の看板を目印に右折 案
 内板に従って約3分

ボートが浮ぶ山中湖

これが撫岳荘の横の看板

分岐路にも看板


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