公開天文台・プラネタリウム紹介 Part 4
文・写真 スタークリック編集部 S.Funamoto
写真:滝根町の街灯はこのような星と月をモチーフにしたしゃれたデザインになっている |
写真:星の村天文台の全景 |
リピーターとわかる方はどのくらいいらっしゃいますか? 天文台にいらしてくださる方では約半数くらいでしょうか。プラネタリウムは鍾乳洞にいらしたかたが昼間にご覧になることが多いので、はじめての方の方が多いですね。地域的には、関東から南東北からの方が多いですね。冬になると、新潟や山形などの日本海側の曇りやすい地域からのお客様がいらっしゃいます。ここ数年のしし座流星群のときは600人くらい集まりましたね。磐越自動車道が開通してとても便利になったことも大きな原因だと思います。 |
|
![]() |
星の村には、天文台などの施設以外に宿泊施設がありますよね? 星の村会館と星の村ビレッジという2つの施設がありますが、水道まわりの問題などから冬の間は閉鎖しています。 |
観光天文台としての役割が非常に大きいわけですね。 そうですね。町の方針が観光一途ですから、教育関係に寄与しようとする部分も多いですが、それよりは観光施設としていらしたお客様に満足してもらうこと。そして、また来ていただけるようにすることがいちばんの目的になっていると思います。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ここからは大野さんの個人的なことについて伺いたいのですが、大野さんは、これまでのいろいろな天文に対する活動を評価されてこの天文台の台長さんを勤められているのだと思うのですが、そんな大野さんが星に興味をもつきっかけになったことはどんなことでしたか?。 私の場合は、小学校5年のときの私の担任が理科系だったのですが、当時学校にあった天体望遠鏡を使って、休み時間に太陽を見せてくれたんですよ。それで興味を持ってのめり込んだのが最初ですね。それまでは顕微鏡を見ているほうが楽しかったのですけれどね(笑)。その後、私の家からは最も近い天文台が仙台市天文台でしたから、高校時代は汽車賃を貯めてよく通った場所です。いまでも、仙台市天文台には頭が上がりません。そこで藤井 旭氏に出会って、その後東京の村山 定男先生とも知り合うようになり、だんだんと多くの人と交流をもつようになってきたのです。 |
|
![]() 天体観測入門 初心者向けに天体観測の方法をやさしく解説した本 立風書房刊 \1,500 ![]() 見ておもしろい 星雲星団案内 写真ではなく、目で見た星雲星団の姿を紹介した数少ない貴重な本 誠文堂新光社刊 |
当時大野さんを中心にして開催していた「星空への招待」というイベントがありましたよね? 福島県の吾妻山で毎年開いていた天文イベントです。当時マイナーなイメージの多かった天文という趣味を、もっと大きく広める意味ではじめたもので、私たち3人(大野さん・藤井さん・村山さん)とチロ(藤井さんの真っ白い飼犬)が中心になって企画していました。ここで出会ったたくさんの人達のおかげで、今の私があると思っています。 この天文台は設立の計画の段階から大野さんが関わっていたということですが・・・ 天文台建設の計画の段階で、福島県内で適当な人材がいないかを町長が探していたときに、このような活動をしていた私のことを皆さんが推薦してくださったのです。計画段階から運営まで携わり、そのまま「居着いている」という感じですね。でも、私は嘱託の台長ですから、空気みたいなものです。実際はスタッフとして実行班として動いてくれていますからね。 「星空への招待」のように、天文のアマチュアを引っ張っていくような動きがだんだん少なくなってきているような気がするのですが・・・。 そういう牽引者的存在の人はいると思います。でも、今は時代が違うのかもしれません。あのころは、望遠鏡がとても高くて簡単に買える時代ではなくて、みんな望遠鏡を自作してなるべく大きなものを手に入れるような時代でした。そういう一人一人の思いが集まってできたのが「星空への招待」のようなイベントだと思います。例えば、彗星の軌道計算なんかは、あの時代は数学の解るごく一部の人しかできなかったわけで、このようなイベントに参加して専門の先生に直接聞いてはじめて解るという時代でした。それが、今ならパソコンを使えば子どもでも簡単にできてしまう。大きな指導者がいなくても、パソコンが指導者になっているのかもしれませんね。 なるほど。でも、やっぱり人の繋がりでいろいろなものを得るということもあってほしいかなという気もするのですが・・・ でも、それもその時代の流れでしょう。私もパソコンには振り回されていますから(笑)これから頑張っていくつもりです。 |
ありがとうございました。最後に、この先、星の村天文台をこんなふうにしていきたいという要望のようなものはありますか?。 基本的にはこのままずっと現状維持というつもりでいます。マイペースでやっていくのもひとつのやり方ですからね。背伸びをしないで行きたいと思います。何か大きなイベントをするということはなく、職員だけでできる程度のイベントを積み重ねて行きたいと考えています。 |
滝根町星の村天文台 所在地 〒963-3601 福島県田村郡滝根町大字菅谷字糠塚60−1
|
|
|
|
|
|
約8000万年という歳月をかけて作られた大自然の造形美。全長600mの洞内は、鍾乳石や石筍など千変万化の神秘の世界が続きます。 料金:高校生以上\1,200 |