木星・土星が相次いでが衝

2000年11月28日の外惑星の位置を土星軌道の上から見た図
このとき、木星が衝を迎えている


ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した木星(上)と土星(下)

 おうし座で見やすくなっている木星と土星が、11月20日(土星)28日(木星)と相次いで衝を迎えます。
 衝とは、地球の外側をまわっている惑星などの太陽系の天体が、太陽・地球とその天体が一直線上に並んだ状態、つまり地球から見て太陽とは反対側に位置した状態のことで、木星や土星などの外惑星の場合は、地球との距離がもっとも近づいた位置関係にあります。
 このとき、衝を迎えた惑星は、ほぼ一晩中観測することができるようになり、もっとも観望に適した時期といえます。

 衝のころの木星の明るさは−2.9等・土星は−0.4等と大変明るいので、夜空の中では大変目だった存在になります。今年の衝では、おうし座のヒアデス星団やプレアデス星団(すばる)の近くにいるため、大変にぎやかな眺めになることでしょう。

 皆さんもご存じのように、木星には無数の縞模様があり、土星にはかわいい輪があります。初心者向けの6cmクラスの小口径望遠鏡でもこれらは簡単に見ることができます。倍率は、その望遠鏡の口径(mm)の2倍程度、例えば80mmの屈折望遠鏡なら、80×2=160倍くらいが適当でしょう。木星は約10時間という短時間で自転していますので、少し時間をおいて観測すると、縞模様の形が変わってとてもおもしろいでしょう。
 そして木星の4大衛星であるガリレオ衛星も見逃せません。ガリレオ衛星が木星のまわりを回るようすはおもしろく、木星表面に衛星の黒い影を落としたり、木星本体の向こう側に隠れたりなど、17世紀にガリレオがそれらの衛星を発見した時の気持ちになって観測すると興味深いでしょう。

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