神奈川県横須賀市

北岡 修 さん (36歳)


子どもの頃からの星との関わりを熱っぽく語ってくださいました。

 小学校3年生ぐらいの時に家の隣に中学生のお兄さんがいまして、そのお兄さんが星が好きで、ある冬の夜に「オリオン座の三つ星」を肉眼で教えてもらったことが自分の記憶の中でかなり鮮明に残っています。思いおこすと、たぶんそれが星に興味を持ったきっかけになったと思います。それで自然と星が見たくなってきて、親にねだって口径3cmぐらいの小さな望遠鏡を買ってもらいました。それは地上望遠鏡でとても色収差がひどかったのですが、かえって月が虹色に見えてきれいに感じたようです。(それが自分の望遠鏡の最初の印象です。)

 小学校6年生の時にタカハシ製6.5cmの屈折望遠鏡を買ってもらいました。これは父親の職場に星好きな人がいて、その方にタカハシ製の望遠鏡を紹介してもらったのです。よく見えました。月や木星、土星、火星などを毎日のように見ていました。そしたらその内に、写真が撮りたくなってきたのです。しかしながら経緯台式の架台だったので、父親のカメラを借りてもっぱら星野写真を撮っていました。とても月や惑星などの写真は撮れませんでしたが、自分としてはそれでもかなり満足していました。


 右の2枚の写真で分かるように、書斎のパソコンは2階のベランダの上に設置したドーム内望遠鏡と接続されている。(もちろん冷却CCDカメラとも接続されている)

 中学生の時は友人に星好きがいて、いっしょに天文クラブに入部しました。そこでは木材を使って三角形の形をした手作り赤道儀の製作にチャレンジしました。これで天体写真を撮ると思いのほか写ってくれて、とても感激しました。しかしながらモータードライブやハンドコントローラなどはなかったので、10秒間に1回ツマミの1目盛りを注意深く回す手動操作が必要でした。しっかり回そうとすると、これが結構ドキドキするのです。
 その頃(1974年)天文ガイドを初めて買ってみて一生懸命読んでいましたが、きれいな天体写真の下に書いてある撮影データの意味が分からないまま、とにかくそこに書いてあるトライXやネオパンSSSなどのフィルムを使って、星座の流し撮りをやっていました。きっと少しでもきれいな天体写真に近づきたいと考えていたのだと思います。

 大学時代は、天文宇宙同好会(東海大学)で会長をやっていました。その当時、会員数は100名以上の大所帯でした。その同好会では、星を見に行くのは口実で、星を見に行ってもほとんど夜は宴会状態でした。でもとても楽しかったです。
 大学2年の時にインドネシアへ皆既日食を見に行って、その荘厳な天体現象にめちゃくちゃ感激しました。その時の日食写真を天文ガイドとサンシャインプラネタリウムのコンテストへ応募したところ、両方とも入選してしまい本当に嬉しかったのを覚えています。



2mドームを2階ベランダに設置


Meade LX200−30と
冷却CCDカメラのCV−04L


ドーム内は2人ぐらいなら入れる広さ


子どもの頃からの夢が実現!

北岡さんギャラリー


火星
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ 1999/5/2 23h48m R0.1s G0.1s B0.15s (ビニング2) 2倍バローレンズ合成F20


コーカサス山脈、カッシーニ、アルキメデス
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ
1999/6/5 1h37m 0.01s(ビニング無し)直焦点


木星
LX200-30 ソニーTRV900ビデオ ミードSP26mmコリメート法
1999/8/1 3h6m 1/125s 8コマ合成 
 


プトレマイオス、アルフォンスス付近
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ
1999/6/5 2h3m 0.01s(ビニング無し)直焦点


土星
LX200-30 ソニーTRV900ビデオ ミードSP26mmコリメート法
1999/8/1 3h22m 1/15s 8コマ合成


プラトー、アリストテレス、エウドクソス
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ
1999/6/5 2h15m 0.01s(ビニング無し)直焦点


M65
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ 1999/2/14 0h39m L60s×5コマ(ビニング2) R60s×1コマ G,B60s×2コマ(ビニング3)スーパーレデューサf3.3


月面南部
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ
1999/6/5 1h50m 0.01s(ビニング無し)直焦点


M106
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ 1999/2/20 23h36m L60s×6(ビニング2) R60s×2 G60s×3 B60s×4(ビニング3)
スーパーレデューサf3.3


M109
LX200-30 CV-04L 赤外カットフィルタ 1999/2/210h47m L60s×8(ビニング2) R60s×3 G,B60s×4(ビニング3)
スーパーレデューサf3.3

 社会人になってからも、時間をみつけては細々と20cmのシュミカセとビデオカメラの組合せで月や惑星を撮影していたんですが、それをパソコンに取り込んで画像処理してみないかという天文雑誌の記事を読んでから再び天文熱に火が付いたようです。ちょうどその頃シューメーカーレビー彗星や百武彗星やヘールボップ彗星などが怒涛のごとくやってきて、かなり自分の心を揺さ振ったようです。そうこうしているうちに、冷却CCDカメラが雑誌の記事をにぎわすようになってきて、家を新築するのを契機についでだからその撮像システム(天体ドーム+冷却CCDカメラ+パソコン)の構築を行いました。
 いや〜、光害の中でも天体が撮れるというのはとても興味が湧きました。自分はどちらかというと出不精ですから、空の暗い所まで出かけてフィルム写真で長時間露光をするのは、ちょっとムズカシイと考えました。
 実際に冷却CCDカメラを使った感想は、最初の頃は「こんなに簡単に撮れちゃっていいの!」という感じでした。パソコンの画面に天体の画像が浮かび上がってきたときには「え〜っ、本当!!」と思いましたよ。それはまだ7〜8等級台の暗いヘールボップ彗星だったのですが、ちゃんと尾も写っていて凄かったですよ。



 パソコンに取り込まれた天体画像をいじくっているのが結構楽しいですね。時間が経つのを忘れてしまいます。そうすると子どもたちの相手をするのを忘れてしまいます。=>嫁さんのご機嫌がナナメになってしまうので、パソコンで遊ぶのは夜にやるようにしています。(これが家庭円満の秘訣です。)
 とにかく面倒くさがり屋なので、いかに楽して星を楽しむかが自分にとっては問題なのです。いまだに天文雑誌に掲載されている写真のようにきれいにはなかなか撮れませんが、それでもいいのです。自分なりのスタンスで自分が納得するかたちで星を楽しめれば、それが一番だと思っています。



 あと将来的には、子どもの幼稚園友だちや近所の子どもたちに、もっとたくさん星々を見せてあげたいですね。いままでも何回か星空観望会を開いているのですが、月や土星を見せてあげるととても喜んでくれますよ。横須賀市でも最近では街灯が多くなりなかなか星が見られないためか、星に興味を持っている子どもたちが少なくなっているような気がします。自分が子どもの頃、まわりの星好きの人たちからいい影響をたくさん受けたので、こんどは自分が多くの子どもたちに星と接する機会を作ってあげようかなと思っています。