分や秒ってどんな大きさ?

 よく天文の本に、「木星は見かけの大きさが40秒です。」とか「満月の大きさは30分です。」と説明されているのをご覧になった方も多いと思います。

 ここで言う「分」や「秒」というのは、時間の単位である「1時間」「1分」「1秒」などとは違い、角度を表わす単位のことなのです。

 みなさんもご存知のように、角度を表わす一番大きな単位は「度」ですね。その次に「分」、その下に「秒」があります。


 つまり日常生活において、私たちは分や秒というとすぐに時間の長さを表わす単位としてとらえてしまいますが、天体の世界では見かけの角度の大きさを表わす単位として使われているのです。

 なぜなら月や惑星、星雲などの大きさを表わすのに、夜空にものさしをあてて測るわけにはいかないからなのです。

 ちなみに測り方として代表的なのが、自分の指を使うことです。親指と人差し指を下図のように広げ、腕をいっぱいにのばして天体を見ると、だいたい15°の大きさを把握することができます。
 このように簡単な方法で天体の見かけの大きさが分かるのです。

 
角度の大きさを表わすだいたいの目安

 先ほどの「満月の大きさ=30分」を例にとってみましょう。満月が2個で「30分×2個=1度」となりますね。全周は360度なので、満月が720個ほど連なると天空を1周することになります。こう考えると面白いですね。

 参考までに、代表的な天体の見かけの大きさを見てみましょう。

アンドロメダ大銀河
(見かけの大きさ=約3度)

オリオン大星雲
(見かけの大きさ=約1度)



 アンドロメダ大銀河は、見かけの大きさが約3度(=180分)もあります。なんと、見かけの大きさが30分ある満月が6個も並んでしまうほど大きいのです。(180分÷30分=満月6個分!)さすがは暗い夜空でひときわ目をひく銀河ですね。

 この天体の見かけの大きさを表わす「角度」ですが、覚えるといろいろ便利なものなので、これを機会にモノにしてみては?



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