秋も深まって来た1999年10月30日。今年の紅葉は例年より色づきが良いようです。この日は岩手県盛岡市にある岩手大学の天文部に、第50回不来方(こずかた)祭にあわせてお伺いしました。東北新幹線の車窓からは、みちのくの山々の紅葉が美しく映えていました。 |
|
岩手大学は、盛岡駅からバスで15分ほどのところにあります。構内の木々も黄色く色づきとてもきれいです。たくさんの出店が軒を連ねていて、おそばやラーメン・焼き鳥など学園祭ではおなじみの屋台や、自分達の作った様々なものが売りに出されていました。 天文部でも出店を出しており、おそばやさんと自分達の撮影した天体写真の販売も行っていました。 |
|
|
校舎内では、自前のプラネタリウムの投影をしながら、天体写真とわたあめの販売をしていました。わたあめは、ビニール袋に自分達でアニメキャラクターなどの絵をかいて、そこにわたあめを入れて子供たちに大人気になっていました。これを客寄せにして、プラネタリウムにもたくさんの人が訪れていました。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
プラネタリウムは、15〜16年くらい前の卒業生が製作したものだそうで、ステンレスのボールに北天・南天それぞれの恒星の小さな穴をあけて、内側から電球で星を照射するごく一般的な物です。一見いびつなボールから照射される星は「ちゃんと映るのかな?」と疑問を持ちましたが、実際にドームに映った星たちは、形もよく整っていてとてもきれいに見えていました。 |
解説は、部員がお客さんと対話しながら秋の星座を説明していきます。プラネタリウムの星で星座の配列を説明した後、星座絵の入った写真をスライドで投影してさらに詳しい星座の説明やそれにまつわる神話などを話していただきました。 |
|
|
|
|
投影や販売の合間に天文部の皆さんにお話しを伺ってみました。 編集部:岩手大学天文部ができたのはいつですか?。 部長 飯島さん:私で25代目の部長ですから、25年目になりますね。部員数は名簿で50〜60人ぐらいですが、実際に活動しているのは30〜40人くらいです。 天文部では、どのような活動をしているのでしょうか? 学内では、定期的に春と秋にグラウンドで星を見る会を行っています。それ以外にも、晴れていればグラウンドで観望会を開いたり、車を使って八幡平などもっと星のきれいなところにいくこともあります。 |
地域でのボランティア活動などは? 去年、近くの保育園で私たちのプラネタリウムを持って行って上映しました。また、今年8月には、区界少年自然の家という施設で「秋を楽しむ親子の集い」というイベントにボランティア講師として現役4人とOB2名で参加しました。 星に興味をもったきっかけは? 宮沢さん:小学校5年生の理科の授業で星のことを知ってからです。 広野さん:趣味の同じ話のあう人達とワイワイできることが楽しいですね。 大学祭でのプラネタリウムは毎年こんなふうにやっているのですか? 工藤さん:私たち2人(工藤さんと飯島さん)が1年のときからプラネタリウムの担当になったのですが、以前は、あらかじめシナリオを作ってドラマ形式にしたりとか、テープに録音にしたものを流したりしていたのですが、私たちは機械に疎いものですからテープの編集というのができなくて、ノイズが多く出るんですよ。編集作業をしているとどんどん時間が遅くなってしまって、「こんなんだったら直接おもしろおかしく話した方がいいや」ということになって、臨機応援に、お客さんと対話しながらやるようになったんです。 飯島さん:あっ、思いますね。今のプラネタリウムでの番組は、低学年向けの物が多いような気がします。もうちょっと対象年齢上げて、子どもも解るけれど大人でも楽しめるようなものがあると良いと思います。 工藤さん:逆にすごい難しい番組のときもあるんですけれど、そういうときは子どもの方が退屈してしまうので、もし時間や財源に余裕があれば、そういう番組を交代制にするとか・・・。あと1回見たら次の番組までの3カ月間はもういいやっていうことにもなってくると思うので、もしもうすこし短い期間で新しい番組を見せるようにすれば良いと思います。 今日は長い時間お付き合いいただいてありがとうございました。 |
実際、こうして大学の天文部の方々と接していると、決して星に興味を持つ人口が減っているわけではないことを実感します。是非これからも楽しく活動を続けていって欲しいと思います。 |