水星東方最大離角

 地球の内側を廻っている内惑星の水星と金星は、ある一定の角度までしか太陽から離れてはみえません。これは、地球より太陽の近くを廻っているためです。ですから、夜に水星や金星をみる事はできません。反対に日中にみられるかというと、水星は、一番太陽の近くを廻っているので、太陽の光が強い為、観測するのは難しいです。しかし、東方最大離角をむかえた夕方、西の空の太陽が沈んだ後や、西方最大離角をむかえた、明け方の東の空に、まだ太陽が昇ってくる前は、水星の姿をよくみることができます。一方水星の外側を廻っている金星は、太陽から水星よりも少し離れているので、最大光度をむかえると、とても明るく輝き-4等以上になりますので、日中でも姿をみる事ができます。

 東方最大離角のときの水星の位置は、地球からみて、太陽から一番離れた東側にあり、地球からは夕方、西の空にみえます。10月25日に水星は東方最大離角になりますが、このときの明るさは、マイナス0.4等で、離角は24°17′です。また、西方最大離角のときの水星の位置は、地球からみて、太陽から一番離れた西側にあり、地球からは明け方、東の空にみえます。次に水星が西方最大離角になるのは、12月3日になります。明るさは、マイナス0.5等で、離角は20°23′です。

 水星も金星と同じく、月のように満ち欠けしています。最大離角のころに望遠鏡で観測してみてはいかがでしょうか。10月25日は、水星と金星をいっしょにみる事はできませんが、12月3日は金星と細い月とともに、水星が明け方東の空でみられます。