ファインダー無しで天王星を観た

千葉県成田市 山崎 尚子 

 中学生(もしかすると高校生かも)のころ、母親と二人でベランダで星をみていた。まわりは外灯バッチリなため月と惑星ぐらいしか見るものはなかったが、木星や土星は何度もあきもせず見ていた。

 しかし天王星や海王星はてごわかった(冥王星は手持ちの望遠鏡では物理的に無理だった)。天文年鑑と首っ引きで位置を調べる私。あぁ、あの明るい恒星からたどれば確かにここにあるはずなのに!! それでも見えるものはキラキラまたたく太陽系外の星ばかりであった。

 私が星図をみながら悩んでいると、となりで母が適当に望遠鏡をいじりはじめた。ファインダーも使わず白い筒をぶんまわしている。おいおい、そんな事で視野に入るかよ。とか思いながら無視していると、突如母は興奮した様子で私を呼んだ。
 やれやれと思いながら望遠鏡をのぞくと、なんとそこには、薄緑にぼやけた天王星がうつっているではないか!

 「どうやって入れたの」と私がきくと、母は「あの明るい星から、狙いをつけてビュッと入れた」と言った。そ、そんなアバウトなやり方で入れてしまうなんて…私の努力は?! みたいな〜。しかし入れた者勝ちである。

 あとから私も同じようにやってみたら、なんとやっぱり入ってしまった。しかし、別の日にまたためしてみたら、全くうまくいかなかった。あれはなんだったのだろう。確実に最初で最後の体験である。

(ホームページ:http://www.asahi-net.or.jp/~fb6n-ymzk/



●山崎さんがお持ちの望遠鏡は9cm屈折経緯台だそうですから、肉眼で見えない天王星を入れるのは大変だったでしょう。「ビュッ」と入れてしまったお母さんはすごいですよねっ(^_^)。(ふ)

星に関する初体験