今回神奈川県伊勢原市を中心に活動している『大山天文同好会』にお邪魔しました。取材当日は残念ながら朝から曇っていた為、観望会の方は中止となり一緒に星を観られませんでしたが、沢山楽しいお話を聞くことができました。

 市内の公民館で、星の見方や望遠鏡作りを教えていた地元の星好きが、伊勢原市立子ども科学館の天文台完成を機に『大山天文同好会』が結成されました。会ができて9年、『同好会の活動方針として、出来た時から地域の子供たちや、市民の方に星を観る楽しみを広めていこうと、夏休みなどを利用して、望遠鏡で一緒に星を観たり、写真の撮り方等も教えたりしています。』と会長の新庄さん。現在会員人数は約60名、北は北海道から南は九州までおり、年齢も19歳から72歳までと幅広く、星見スタイルも、天体写真好き,望遠鏡観望好き,星空見上げ好きなど、いろんなタイプの人がおりワイワイ楽しく活動されています。

 月に一度観望会を大山阿夫利林道や富士山新5合目、太郎坊などで行っている他、夏には合宿を行って星観を楽しんでいるようです。会の窓口となっている『伊勢原市立こども科学館』。星の世界をピーアールしようという事で科学館内に年に一度、夏に天体写真展などもひらいています。昨年の天体写真展では34点集まり、パネル6面にわたって展示し、大好評のようでした。3D天体写真でお馴染みの伊中 明さんもこちらの会員で、写真も出していらっしゃいました。

「4年前、同好会に25センチ反射望遠鏡がはいったのでドブソニアンを1ヶ月かけて作りました」

と、手作りドブソニアンを見せていただきました。

年4回開催される「星空ウォッチング」は、科学館のプラネタリウムを使って行われています。一般の方にスライドを使いながら星の話しなどをし、その後晴れていれば観望会も行っています。この「星空ウォッチング」は毎回担当者がかわり、話の内容なども自ら作り上げているそうです。作る時に、「子供がどのような事に興味を持ってくれるか、どこまで話して良いのか」そこが難しいそうですが、お話の中で、クイズを出したりと、こどもから大人まで大いに楽しめる内容なので、親子で来られる方が多いです。時には70人もの人が観に来られるそうです。

取材したこの日も、沢山の人がみえ、楽しんでいかれました。天気も良かったので、お話の後は、観望会を開かれ、子供たちも大喜びでした。

「星空ウォッチング」は天候に左右されずに開催するので、天気が悪い時でも、星とたわむれることが出来ますよ。是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

その他に年間さまざまな活動をされています。会の窓口となっている『伊勢原市立子ども科学館』。ここには、20センチクーデ式屈折望遠鏡があり、毎月第2金曜日に、科学館主催の観望会「クーデの日」があります。その他に、「環境庁スターウォッチング」、「天体写真撮影会」など、ボランティアで参加しています。

「天体写真撮影会」は、近くの小学校の校庭で、科学館の機材と、会員の機材を用意し、直接子供たちに、機材に触れてもらいながら写真を撮り、写した写真はパネルに張って、館内に展示したり、写した本人が次回科学館に来た時などに、プリントした写真を渡しているそうです。

会報は 94年から発行しており、観望会レポートや、星空ウォッチングのストーリー、会員のプロフィールからクイズまであり、実にバラエティーに富んでおり、ちょっと一部をご紹介しましょう。

      星見は、ストレスのたまる趣味か? 古田朋弘

 きれいな星空を見てスキッとした気分になれる日は、いったい年に何回あるのだろう?ここのところ、秋雨前線の影響もありなかなか晴れません。たとえ晴れたとしても、明るい町中での星空では期待できないわけで・・・。とすると、空の暗いところへ出かけることになり、とすると、休日が絡む日に限定されてしまうし・・・。さらに月が小さい夜となると、かなり確立が低いものでしょう。実際もう一ヶ月見てないし、これから満月に向かうし。うぅー、ストレスがたまる・・・。

 例えば、テニスは相手とコートが用意できれば、雨の降らない限り楽しめるし(へたくそっていう別の意味でのストレスはあるが)、映画鑑賞や音楽鑑賞なんてのは比較的に自由に可能だし(今日は映画を見て帰ってきたところです)。それに比べると、星見はやっぱりストレスのたまる趣味か?ただきれいな星空を見上げたいだけなのにね・・・。いい加減に、闇夜の週末よ、晴れろーっ!という愚痴になってしまった。

 いい星空が見られる確立を少しでも増やそうとするならば、いい星空により近いところで暮らすことしかないのかなぁ。

          StarLightDance      古田朋弘

 アパートの玄関前で星を見ていました。架台はEM−200(中型赤道儀)で鏡筒は28cmシュミットカセグレン。空が明るいので、観賞対象は恒星です。

 部屋は2階なので、渡り廊下みたいな所になります(屋根がないので可能ナノダ)。電車もすぐそばを通っています。したがって、よく揺れます。(〜_〜;)

 この日はシンチレーションが安定し、ディフラクションリング(回折環)っつーものが見えてみたいと思い、じっくり恒星を観賞してました。ところが・・・。揺れてしまうのだ。車や電車が通ったり、はたまた1階の住民が玄関を開け閉めしたり、隣のお子ちゃまがバタバタしても揺れてしまう。まったくイヤになっちゃう。

 でもここで発見!なんと、星が躍るのだっ!StarLightDance!プルプル、プルプルプルっていうように躍っている!きれい!これはおもしろいっちゃ!レーザー光線が摩訶不思議な光跡を作ったりするじゃないですか。あんな感じ。特にヴェガのダンスは、明るく輝いていてカッチョイー!味をしめてしまい、自ら足を踏み鳴らして廊下を揺らすのであった・・・。

 町中での新しい星見スタイルか?興味のある方は是非どうぞ。ポイントは、恒星、高倍率、架台に対して重めの鏡筒、そして踏み鳴らしっす。

 「星見は、ストレスのたまる趣味か?」まったく昨年は空の状態が良くなかったですね。今年はどうでしょうか?でも、きっと、1日でも満天の星を見られたら、ストレスなんて吹き飛んでしまうのでしょうね。

 会員が遠く離れたところに居られるのできっとこの会報は会員同士の心の繋がりとなっているのでしょうね。これからも素敵な会報をがんばって作ってください。

 一緒にいて楽しく、心が温かくなるような素敵な皆さんでした。これからも、もっと、もっと宇宙のすばらしさを伝えていってください。ありがとうございました。    

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