最大離角と最大光度

 地球より内側を廻っている内惑星である金星は、三日月のように見えたり半月形や満月形にも見えたりします。こうした満ち欠けと共に見かけの大きさも変化します。金星が、太陽の東側に最も離れているときのことを「東方最大離角」といい、反対に太陽の西側に最も離れているときのことを「西方最大離角」といいます。最大離角のときには、ちょうど半月形に見えます。東方最大離角から内合までは、夕方西の空に金星が輝いてみえ、内合から西方最大離角までは、明け方東の空に輝いて見えます。また、地球、内惑星、太陽と一直線に並んでいるときのことを「内合」とよび、地球、太陽、内惑星と並んでいるときのことは「外合」とよび、この様なときには、金星を見ることができません。最大離角の時から、内合になる間に金星は徐々に欠けて見えますが、地球との距離は、内合になるにつれて近くなってくるので、金星は明るく見えます。こうした、最大離角から内合の間で、もっとも明るく輝いている時の事を「最大光度」または「最大光輝」といいます。

 昔から金星は「宵の明星」、「明の明星」とよばれ親しまれてきました。是非望遠鏡で覗いてみては如何でしょうか。