|
|
|
今回は、年に2回行われる天文教室のうちの1つとして、自分の作った天体望遠鏡で月を見てみようという企画に、江東区内の小学校から4〜6年生の合計20人が集まりました。その中には、女の子も6人参加しています。今日はちょうど満月で、しかも部分月食があるということで、子ども達にはきっと良い思い出になるのではないでしょうか。 |
日が西に傾いた夕方、ちらほら子どもたちが集まってきました。会場になっている児童会館内の教室はだんだん賑やかになり、17時30分、全員集まったので、いよいよ望遠鏡作りが始まります。『世界でたった一つ |
児童会館で用意された教材は、2つの凸レンズを組み合わせたケプラー式屈折式望遠鏡の組立キットです。子供たちに教材が一つずつ配られると、早く開けたくてまだかまだかとソワソワしている様子。1つのテーブルに指導員の方が1人ずつ付き、まずは、部品のチェックからはじめます。一つ一つ袋から取り出し部品を手にする。ゆっくりそっと取り出す子もいれば、次から次へと取り出す子と様々。『レンズ には気をつけてね!』と言われ、最初はおっかなびっくり注意しながら出していましたが、でもすぐに扱いに慣れてきて『レンズはどっちが上?』『出っ張っている方?』『接着剤塗ってもいい?』『くっつけてもいいの?』と次々に声が飛び交い、指導員の方は大忙し。子ども達と一緒になって作る手伝いをしています。男の子は思いっきりが良くて、作業の手際も良い。接着剤が手にくっついても気にしないところは、やっぱり男の子だからでしょうか。女の子はさすがに手先を器様に操って、てきぱきと綺麗に作っていました。完成する前から筒の中を覗いている子もいます。 |
|
いよいよ自分の作った望遠鏡で月を見るときがきました。屋上ににはあらかじめテーブルが用意されていて、その上に望遠鏡を乗せて、月に向けてみる。最初はなかなか望遠鏡の中に入ってこない。 月が視野の中に入っても、今度はピントを合せるのが難しい。指導員の方に教わってピントを合わせると、歓声があちらこちらから湧き上がる。『凄い、大きくよくみえるよ。』『次は星もみたい。惑星もみたい。』と大はしゃぎ。お迎えに来たお母さんから『月がとっても綺麗ね。望遠鏡良くできているわね。』といわれて子どもたちも自慢げ。『星を見るときはピントを合せるのが難しいから、家に帰って月で練習をしてからやってみるといいよ』との指導員の方の話しに『がんばる。早く帰ってもう一度みてみる。』と、とても大事そうに望遠鏡を持って答えていました。 |
| 最後に屋上にある天体観測室に行き、今度は大きな望遠鏡でお迎えに来たお母さんたちと一緒に月をみてから、作った望遠鏡を大事そうに抱えながら、子供たちは家路につきました。きっと今晩はできたばかりの望遠鏡でいろいろなものをみて楽しむことでしょう。 |
取材を終え、帰り道に空を見上げてみると、いつのまにか月食は進み月は半分くらい欠けていてました。その月の向こう側に今日集まった子ども達の、あの嬉しそうな顔が目に浮かびました。『望遠鏡作りはちょっと難しくて、大変だったけど、自分だけの手作りの望遠鏡で本物の月がみられて、とても嬉しい。』と話してくれた子どもの目は、この日の月の様にとても綺麗でした。 |